今回は、長期優良住宅とは何か、そして認定登録することによる3つのメリットについてまとめています。
長期優良住宅は本当に得なのかどうかの検証記事(執筆中)や、長期優良住宅に認定されることによりフラット35で具体的にどのように金利がお得になるのかについては別記事でまとめますので、そちらでご確認ください。
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、ひとことで言うと「長く安心して住める家」のことです。
きちんと認定してもらうことにより、その住宅が
- 耐震性、省エネルギー性に優れている
- 長く暮らせる家の構造をしている
- 住まい環境への配慮がされている
- 定期的な点検や修理が計画されている
等の基準をすべて満たしていることの証明になります。
この制度は、従来の日本の家づくり「作って壊す」を繰り返さないで、「良いものを作り、ちゃんと管理して長く使えるようにしよう」を目的に国が推進しています。
長期優良住宅であることのメリット
長期優良住宅レベルの家を建てたとしても、必ずしも認定をしてもらう必要はありません。(それに、申請には申請時間も申請費用もかかります!)
では、認定によって何が得られるか?
認定してもらうことによるメリットは3点です。
- 住宅ローン減税制度の控除対象額が4,000万円から5,000万円に引き上げられる
- 地震保険料の割引が受けられる
- 固定金利フラット35Sで一定期間金利引き下げ
住宅ローン減税の優遇
通常であれば住宅ローン控除借入額の上限金額は3,000~4,000万円までですが、長期優良住宅の認定を受けていれば5,000万円までUPします。
詳しくは、「【2022年最新 新築戸建て検討向け】お得な制度や補助金まとめ」で確認ください。
ただ、省エネ住宅であれば4,000万円まで、それ以外であっても3,000万円までの額に対して住宅ローン控除は受けることができます。
つまり、3,000万円ほどのローンを組もうと思ってる人にとっては長期優良住宅であってもなくても控除額は同じということですね。
また、「【2022年最新 新築戸建て検討向け】お得な制度や補助金まとめ」にも書いていますが、住宅ローン減税の制度は借入額が大きいほど控除を受けれれる額も大きくなります。
4,000万円超の住宅ローンを希望している人にとってはメリットになりますが、そもそも借入額がそんなに多くない人にとっては、意味のないメリットになってしまいます。
年収2,000万円未満の結構な年収をお持ちで、かつ5,000万円以上のお高い家を建てると言う人ほど、お得になる仕組みです。((いろんな面から羨ましいっ!
地震保険の割引
ふたつめのメリットは、地震保険の割引です。
火災保険の加入は必須である一方で、地震保険は任意です。
日本が地震大国とはいえ、地震保険に加入するかどうかは人それぞれなので、こちらの優遇がお得かどうかは人によるところ。。(だいたい7割くらいの人が加入しているみたいです)
長期優良住宅が地震保険の割引を受けられる理由は、認定条件に耐震性能が含まれるからです。地震に強い家は、それ以外の家と比べて保険金を下ろさなくていい可能性が高いから安くしましょう!ということですね。
といことで、長期優良住宅の場合は、地震保険が半額になります。
地震保険は、長期優良住宅でなくても耐震等級3であれば50%の割引を受けられます。
ただし、建物を「等級3」として建てたとしても、それを書類上確認できない場合は、「耐震等級2」として扱われ、半額割引は受けられません。
ちなみに…
火災保険については、長期優良住宅であるメリットは特にありませんが、下記条件のどれかに当てはまれば割引が受けられます!
- 新築
- 火災や盗難監視システムの導入
- オール電化
- 喫煙しない
フラット35での金利引き下げ
3つめの利点は、固定金利でローンを組んだ場合の金利が一定期間引き下げられることです。
フラット35で住宅ローンを組む場合、長期優良住宅であればフラット35S(金利Aプラン)やフラット35維持保全型が選べます。
フラット35というのは、金利が35年の間ずっと固定されている住宅ローンの借り方のこと。簡単に言うと、毎年同じ額を35年かけて返していくってことです。
そして、これらによる金利優遇により最大で当初10年間の金利が0.5%引き下げられる可能性があります!
なお、2022年10月以降の借入申込分からフラット35の金利引き下げ方法が変わります。(ポイント制になり、ポイントが高い家ほどローン金利が下がる仕組み)
詳しい記事はこちらの「新フラット35:2022年10月から始まるポイント化による金利引き下げについて徹底解説」でご確認ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
長期優良住宅の認定を受けることでわかる「安心性能」以外のメリットは、①住宅ローン減税の優遇、②地震保険の割引、③フラット35での金利引き下げの3つです。
でも、住宅ローンの優遇は沢山の借り入れをしていないとお得感は感じられません。(長期優良住宅でなくても、ローン控除自体は受けられるので)
それに地震保険や固定金利は、使うかどうかは人それぞれ。
変動金利でローンを組もうとしている人からすれば、フラット35?ナニソレ?だと思います。
これらのことから、メリットがあるとはいえ、長期優良住宅の認定を受けることによるメリットを完全に使い倒せる人は少ないでしょう。
ですが、今では多くのハウスメーカーが長期優良住宅であることを大きな自社の強みとして挙げています。
住宅展示場に出店しているような大手メーカーであればまず間違いなく、長期優良住宅の家を建てられることでしょう。
一方で、小さな工務店の間では現時点ではまだじわじわと普及中…。というのが私がたくさんのメーカーを見て回って感じた印象です。
長期優良住宅の認定を受けるためには、かなり煩雑な書類審査があるようなので、人が多くいないところではその申請に何か月も時間をかけていられないというのが現状なのかもしれません。。
とはいえ、多くのハウスメーカーや工務店が基準として採用しつつある「長期優良住宅」。今後さらにこのレベルが一般化していくと見込んでいます。
では、また。
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