ホームインスペクション(住宅診断)ってご存知ですか?
第三者機関のプロによる、家の健康診断のことです。
中古物件を購入する時に依頼する人が多いけど、我が家は新築ですが一級建築士さんを雇って見てもらいました。
見てもらって本当に本当に良かったと思ってます。何もなければ安心を、何かあっても修繕を受けられることがほとんどです。
今回は、私たちのホームインスペクション体験記について書いていきます!
施工不良、計32点
さて、結論から言います。
私たちの新築で見つかった施工不良は全部で32点です。
- 構造面 11点
- 見た目 21点
これを多いとみるか、少ないとみるか…。新築ならちょっと多いかな、、
このほとんどが、壁紙や窓枠の傷や汚れでした。
ちなみに、ホームインスペクションでは壁紙の汚れだったり細かい傷はザッとしか見ません。
あくまで、構造メインでチェックしてもらいます。
なので、壁紙の傷や汚れ、窓枠のカケなどの見た目に関わるものは自分達でもしっかりとチェックする必要があります。
住宅性能に影響あり!かなりマズイ施工ミス
私たちが指摘された中で、これはヤバい!と思ったのは「断熱材の剥がれ」「換気扇が付かない」「ロフト梯子のかけ間違い」です。
とはいっても、これらはすべて重大欠陥ではなく中程度の欠陥だったため、すべて補修対応ができたのが幸いでした。
断熱材の剥がれ
屋根裏、床下の断熱材。
どちらも断熱材の一部が剥がれてしまっていました。
もう、でろーーーんと。
これなかったら、書類に記載してる【断熱等級4】もなにもありませんからね!!
性能評価に大いに影響する場所です。
ほんっとに、こんなことあるの?!って撮ってもらった写真を見た時はびっくりしました。
屋根裏や床下なんて、自分では見ないので調べてもらって本当良かったです。
浴室の天井裏は大丈夫でした!
換気扇が回らない
換気扇も、いくらスイッチ押しても回らない。
完全な施工ミスです。
ここも、自分で住み始めるまではきっと気づかなかった箇所でした。
梯子の位置がおかしい
どう考えても、扉に干渉する位置に置かれたロフト用の梯子。
扉を開くたびに、ごっつんごっつん当たります。
担当者には「この後ろに大事な柱があったりすると出来ないから、わざとこうしてる」なーんて言われましたが、
これ、改めて確認してもらったところ大工さんの完全なるミスだったそうです。
図面の読み間違い。
人がやることだならミスは仕方がないけど、こんな分かりやすいミス、引渡前に気づいていて欲しいです。
丁寧な住宅診断と詳細報告書
今回のホームインスペクションでは、オプション費となる詳細報告書もお願いしました。
せっかく依頼するなら、詳細報告書を仕上げてもらって売主と情報共有するのがお得かなと思います!
300近い項目のチェックでしっかり検査
私たちが見てもらった検査場所は、
- 基礎の部分
- 外構、外壁、バルコニー
- キッチンなど設備関係
- ドアなどの建て付け
- 天井裏、床下の点検口からの確認
です。点検開始〜売主への説明までにかかった時間は3時間。
かなりじっくり見ていただきました。
平行かどうかのチェック、床下の水分量のチェックなど、いろんな部分の測量を専用機械を使って調べていただきました。
我が家の場合
- チェックしてもらった項目:270以上
- かかった時間:約3時間
- 詳細報告書あり
- 費用:7万円ほど
一番大きな施工ミスは断熱材でしたが、それ以外にもたくさん出て来ました。
ドアの建て付けがイマイチだったり、ソフトクローズがかかってなかったり、外壁がちょっと欠けてたり。
前述のとおり、壁紙や床、そのほかの傷や汚れといったものは私たち自身でもしっかり探して指摘しました。ホームインスペクションではほぼ構造について見ていただくので、こういったデザイン面は私たちがどこまで気にするかにかかってます。
分かりやすく、アドバイス付きの詳細報告書
全てをまとめて詳細報告書を2日で仕上げて郵送で送ってもらいました!
報告書は、300近い項目すべてに【異常なし】、【該当なし】、【異常あり】と記載してくれていて、更に画像とコメント付きです!
また、書類の郵送に先駆けて、PDFデータも翌日には貰えたので売主にデータをすぐ渡すこともできました。
報告書があったため修繕作業も建物の最終確認日までにスムーズに行ってもらえることとなりました。
報告書には「今回の指摘箇所はすべて補修可能なので、しっかり補修すれば安心していただけます」って書いてくれていました。この一言、本当に安心になれます。
約50ページほどある冊子の最後の方には、これから暮らすにあたり予想されるメンテナンス、注意点などについてのアドバイスまでしっかりありました。
内覧会に第三者が味方でいてくれる頼もしさ
ホームインスペクションは、大まかに
- 建築中
- 新築建売の購入前
- 購入後の内覧会
と3つのタイミングのいずれか(もしくは複数回)で見てもらいます。
私たちの場合は、建売なので完成後しかも売買契約済みだったため【内覧会】の時に一級建築士さんに同行してもらいました。
そこで感じたのが、【適切な文句】は言う時に強力な味方がいた方が言いやすいってこと!
自分たちで見つけた不良箇所の中には、結構ひどいものも数か所ありました。
こういうのに対して「ここ汚い!」と指摘する時にそばに自分たちで雇った一級建築士さんがいるってすごくありがたい。
私たちは一般的な住宅購入者よりも年齢が若い分、下手に見られることも稀にあり…、年上の担当者に言いくるめられないようずっと気をつけていました。
FP2級の知識をフルに生かして、不利なローンや保険営業等を突っぱねてたので、「こいつ只者じゃない」感は向こうも薄々感じてたっぽいですが…笑
でも、内覧会で家の文句を言うのって、「嫌な顔されたらどうしよう。」「こんなもんです、って言いくるめられたらどうしよう」と不安にも感じていました。
その意味でも、私達の味方でいてくれるプロの一級建築士さんが付いてるのはかなり心強かったです!!
「あー!ほんとですね。」「これは酷いですね」「こうしたら直せますよ」とか援護射撃してくれます。笑
めちゃくちゃ強い味方を手に入れたー-!って気持ちでした。
そばにいてくれて、ほんとうに頼もしかったです!
建売業者(売主)の反応
建売業者には売買契約時と内覧会の2回のタイミングで確認を取りました。
1度目は、売買契約の日。「ホームインスペクションをしますけどいいですか?」「何か不備があれば直していただけますか?」と尋ねました。
2度目は内覧会(ホームインスペクション日)。「これらすべて、直していただけますか?」と再確認を取りました。
幸いなことに、私たちの売主は構造に関する施工不良に関しては全て直してくれると言ってくれました。
はい、【構造に関する】に注目です。
残念ながら、内装面で一部対処できないですと言われてしまいました。
断熱材剥がれ、設備不良、壁紙の補修などは当たり前にやり直してもらえました。
が、ダウンライトがバラバラに付いてたり、2つ並ぶライトの高さがズレてたり…といったところはできない、と。
こういうのって、大工さんの几帳面さが出てくるところ。
大手のハウスメーカーのお家でも「照明の高さが~」「窓の高さが~」なんてよくある失敗例として聞くので、当たり外れの問題ですね。。
幸いにも、「できないかも」と言われた箇所については私たち自身、一級建築士さんに指摘されるまで気づかなかった点なので妥協できるかなぁと思っています。
結局、先日が最終確認日だったのですがこれらの照明の取り付け位置については直してもらえませんでした。
でも、他の項目に関してはすべて適切に対応してもらえました!(壁紙も窓枠も、断熱材や設備不良などもです)
不良個所31点のうち、照明の2か所以外はすべて修繕となりました。
私がホームインスペクションにこだわったワケ
私は、建売の購入にあたりなんとしてでもホームインスペクションをしてもらいたいと強く思っていました。
その理由が、買った家の建売業者について全く知らなかったからです。
よくある家の買い方としては、気に入ったハウスメーカーを決めてそこで建ててもらう、ですよね?
私たちも初めは、一条工務店や大和ハウス、住友林業など(大手ばっかり)で話を進めてたので、そのハウスメーカーがどんな家を建てて、どんな基本性能がつくのかを施設体験や住宅展示場などを通してある程度知った状態でいました。
ですが、今回私たちは家の性能(長期優良住宅、断熱等級4、耐震等級3)、間取り、立地、価格でほぼ即決して決めてしまいました。
ハウスメーカーがどこかっていうのは二の次、三の次だったのです。
この会社のことよく知らんけど、大丈夫なんかな?
この会社は何ができるのか、全く知らない。得意なことや扱う資材についても全く知らない。
ホームページに色々書いてるけど、書くだけならどこでもできるよね…と半信半疑。
そういった不安解消のため、ホームインスペクションをしてもらいました。
正直なところ、建売業者の信頼度がそれまでに築けていたなら安心のためだけに7万円も払ってホームインスペクションの依頼をすることはなかったかもしれません。
でも、ホームインスペクション後の調査報告書を改めて見ると信頼度がどうであれやってもらうに越したことはない!と今では強く確信しています。
新築であっても、我が家のような中程度までの施工不良はよくあると聞いてるので、やって損はないと思います。
こんなハウスメーカーや売主に要注意
ホームインスペクションって、売る側からしたら「あら探し」されるようなものです。
修繕は面倒くさいし、プロ目線で施工ミスなんて見つけられたら大変困る。
だからこそ【お断り】される場合もあるらしいんです。
私たちの売主メーカーは二つ返事でホームインスペクションの了承してくれましたし、欠陥については直しますと約束してくれました。
でも、売主よっては【ホームインスペクションお断り】だったり【やってもいいけど直しません】…ということがあり得るようです。
私たちは今回、売買契約してからホームインスペクションをする話をしましたが、不誠実な業者を見抜くためにも契約前に「ホームインスペクションしていいか?」「何か見つかればきちんと対応してくれるか?」の確約を取るのが安全かなと思います。
ホームインスペクションを渋られたり、断られたら、もしかしたらそこで家は買わないほうがいいかもしれません。。
不誠実な業者を見抜く一つの指標として質問するのもいいかもです。
【豆知識】重要なのは、メーカー名より大工さんの質
ホームインスペクションを依頼するにあたり、2社ほどの住宅診断会社とやり取りしました。
その際に言われたのですが、正直に言って大手ハウスメーカーとか大手メーカーじゃないとか、家の質には全く関係ないそうです。
もちろん、使われる部材は違ってきますよ!
でも、【丁寧に建てられているか】に関しては、メーカー名で判断はできないんです。
〇〇で建てた新築建売なのですが…。施工不良ってよくありますか?
ハウスメーカー名で判断することはできません。同じメーカーだとしても、現場監督や大工の質で大きく変わります。
現場監督がどこまできっちりしてくれてるか。
現場大工さんがどれだけ丁寧に作ってくれてるか。
もう、すべてこれにかかってます。
なので、「〇〇工務店の新築なのですが」と話しても「監督や大工によって全く家の質は変わるので…」と言われておしまい。
これは、電話で確認した2社どちらも同じ回答でした。
一応私たちの家を建てた業者も全国的に有名な企業ではあるのですが、それでもメーカー名で良し悪しを答えることはできないとのことでした。
さいごに
完成品として与えられ、それをそのまま受け取るには、家は重すぎます。
でも、住む前の最終チェックをしっかり行えば、大きな安心感を得られます。(だってウン千万もする買い物だもの!)
その家に住むのは私たち。
住んでから文句言って「あなた達の扱い方が悪かったんじゃない?」なんて言わせないためにも、見つけられるものは全部引渡し前に見つけておく!!それが大事だと思っています。
今回は、重大なミスは何も無く、殆どが直せる範囲のものでした。
それは、これから何十年と住むわが家が安心できる場所という証明になりました。
見に来てくれた一級建築士の方も「重大欠陥はありませんでした」「床下もきれいですね」と大丈夫な点についても多々言ってくれて、とっても安心しました。
安心したことでより一層、家のことが好きになれました!
例えば基礎の部分にヒビが入ってたり、天井裏や床下の木材が割れてたり、水が浸水してたら、取り返しがつかなくて途方に暮れていたはずです。(その場合は売主側の責任で修復されますが、引渡し日までに住めるか、ちゃんと修復されてるのか心配ですよね…)
10万円未満で、ここまでしっかりやってもらえたら安い!と私は思います。
ということで、これから新築や中古リノベで建てる方、家を購入される予定方にも、ホームインスペクションを強くお勧めします!
では、また。
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