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国の制度を活用しよう(NISA, つみたてNISA, iDeCo)

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★この連載では、ティーンエイジャーでも投資を理解できることを目標に解説しています。

前回では、初心者には投資信託がおすすめであると書きました。

では、実際にどんな投資信託を選べばいいでしょうか?

初心者さんは、国の制度をうまく使ってお金を増やす方法がおすすめです。

国の制度を使った投資信託とは、NISA(ニーサ)、つみたてNISA、iDeCo(イデコ)のことです。

政府が推進しているので、始めるハードルも低く、理解もしやすいという特徴があります。

今回は、NISA/つみたてNISA、iDeCoの特徴と選び方についてお話しします!

 



国の制度を活用しよう!3つのおすすめ投資信託

現在、国が推奨している投資制度には以下の3つがあります。

  • NISA
  • つみたてNISA
  • iDeCo

このうち、NISAとつみたてNISAはどちらか1つしか選べません。

つまり、3つすべてを同時に契約することはできず、実際にできるのはどちらかのNISA+iDeCoとなります。(もちろんどれか1つだけでもOK)

国の制度って何がすごいの?

国の制度を使うと何がすばらしいかというと、投資で得た利益に対して税金がかからないんです!

普通は投資で増えたお金に対して20.315%の税金がかかります。

お仕事して働いてると、お給料から税金が引かれますよね。そんなふうに、投資に対しても税金がかかるんです。

実は、お給料から引かれてるのって所得税と住民税だけじゃないって知っていましたか?

東日本大地震以降、その復興のためのお金を徴収するということで、所得税と住民税に加え、「復興特別所得税」というのも引かれています。(私はFPの勉強するまで知りませんでした)
もちろん、この復興特別所得税は投資の利益に対してもかかってきます。

でも、これら3つの制度を使ってるとその税金すべてが免除されます!

税制優遇を具体的からみてみる

例えば10万円の利益が出たとします。

すると、10万円(利益)×20.315%(税率)で20,315円の税金が引かれます。

10万円まるまるもらえるのではなく、手元に残る利益は79,685円ということですね。

利益が大きければ大きいほど、「せっかくの儲けたのに、全部もらわれへんの?!」って思いますよね。

この20.315%の税金が免除されるのが国の制度の魅力です!

投資にかかる税率はお金持ちになるほどお得って知ってましたか?

お給料にかかる所得税って収入が増えれば増えるほど上がります。そして、住民税は所得税が増えるのに比例して上がります。つまり、稼げば稼ぐほど税金が引かれてるんですね。
でも、投資にかかる税率は今のところ20.315%の固定です。例えば、年収が数千万円あるような高収入の人は、お給料にかかる税率よりも投資にかかる税率の方が安くてお得になります。

次の章から各制度について詳しく解説してきます。

NISA、つみたてNISAとは

NISAつみたてNISA(ニーサ)は、運用益や売却益が免除される投資です。

ここで注意なのが、ずっと免除ではなく一定期間であること。

NISAでは最長5年間つみたてNISAでは最長20年間までの利益に対して非課税となります。

だから、この期間内に解約すれば利益が非課税で手に入ります!

また、もうひとつの大きなメリットはいつでも解約できるということです。

後述するiDeCoは60歳までお金を引き出せないけど、NISAであればいつでも必要な時に引き出せる特徴があります。

NISAとつみたてNISAの違いって何?

NISAもつみたてNISAもどちらも一定期間非課税で、いつでもお金を取り出せるというメリットは同じです。

これら制度、何が違うかというと主に3つ。

  • 非課税期間
  • 投資可能な額
  • 投資可能な商品が違う

まず非課税期間。先ほど書いたとおり、NISAでは5年間、つみたてNISAでは20年間です。

そして1年間に投資可能な額がNISAでは120万円、つみたてNISAでは40万円までとなります。

また、投資できる対象も違います。

NISAでは、国内株式、外国株式、投資信託、ETF、REITに投資が可能です。

一方のつみたてNISAは、国が定めた投資信託にのみ投資が可能です。

まずはつみたてNISAがおすすめ!

初心者におすすめなのは、つみたてNISAです。

理由は、2つ。20年という長期投資ができること。そして、国が既に投資先を絞ってくれてることです。

1つめの長期投資におけるメリットについては、以前の記事の「なぜ投資信託がいいの?投資で失敗しないための「5つのポイント」」という章で詳しく書いてるのでみてくださいね。

2つめのメリットですが、つみたてNISA投資先が国が定めた投資信託に限られてます。

この、国が定めたってところがポイント!

あまたある投資信託のファンドの中から、国がすでにオススメのファンドを絞ってくれてるんです。

だから、つみたてNISAって、リスクの大きなファンドは最初から選べません。初心者はローリスクを狙うべきと前回の記事でもお伝えしたので、ここは良いポイントですね。

以上の2点から、初心者にはNISAよりつみたてNISAがおすすめす!

また、つみたてNISAって金融機関によっては100円からでも始められるんです。そこも魅力のひとつと言えますね♪

初心者が選ぶなら、ファンドは「eMAXIS Slim」シリーズ

国がすでに絞ってくれているとはいえ、どのファンドを選べばいいか悩みますよね。

私のおすすめは、eMAXIS Slimシリーズです。

ファンド名に「eMAXIS Slim」とついているものは、「業界最低水準の運用コストを目指し続ける」と約束してくれているファンドです。

つまり、信託報酬が低く設定されているんですね。この信託報酬、前回の記事の「低コスト商品を選ぶ」で書いた通り安ければ安いほどいいです。

また、この信託報酬が低いという特徴からとても人気で純資産総額(ファンドの大きさ)もかなり多いです。

この中で、特におすすめなのが「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の2つです。

これらはどちらも初心者向けのインデックスファンド(詳細は前回の記事「初心者には、投資信託のインデックスファンドがおすすめ!」)となります。

「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」とは

米国大型株から成るS&P500指数に連動することをめざすインデックスファンドです。

「GARFM」と呼ばれる、Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoftの5強企業を含むアメリカの有名企業500社に投資するファンドとなります。

投資先がアメリカ企業のみなので分散はできないというデメリットはありますが、力強く成長し続けるアメリカに投資することでより効率よく早くお金を増やしたいと考える人には「 米国株式(S&P500) 」がおすすめです。

アメリカの株価は長期で見るとずっと右肩上がりの成長を見せているので、長期でコツコツ積み立てて投資をすればリスクは低くとることができると考えられます。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」とは

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックスに連動することをめざすインデックスファンドです。通称「オルカン」と呼ばれています。

こちらのメリットはなんといっても先進国と新興国合わせて50カ国3000銘柄の株式に分散投資ができること。

ただ、投資先は全世界とはいえ、実際は中身の半分以上が米国株が占めています。これは世界的に見ても有名企業、優良企業がアメリカには多いからですね。

こちらは米国株式(S&P500)と比べ、世界の企業に分散して投資することができるのでよりリスクを回避した投資ができるのがおすすめな理由です。

(分散投資によるメリットについては前回の記事「分散投資する(資産/国/時間)」を参照ください)

色々なファンドの利率や成績を数か月かけてチェックした結果、私も「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の両方に現在投資しています。

iDeCoとは

iDeCo(イデコ)とは、年金の一種です。

公的年金(65歳になったらもらえる老齢年金とか厚生年金とか)を補うためにできた制度です。

主なメリットとデメリットをリストにしました。

メリット

  • 利益は非課税
  • 掛金が全額控除
  • 受け取る時にも税制が優遇される

デメリット

  • 60歳まで引き出せない
  • 最低でも掛金は毎月5,000円から
  • 始めるために会社に書類を書いてもらう必要がある
  • 毎月手数料が引かれる

メリットは、つみたてNISAでもお馴染みの利益は非課税ということ。

また、iDeCoの場合は毎月の掛金(支払うお金)は全て控除対象です。

似たものに保険会社の個人年金保険がありますが、個人年金保険よりも格段に控除額が大きいメリットがあります。

控除とは?

控除には「金額などを差し引く」という意味があります。
例えば所得控除。この場合の所得税って、所得(お給料)すべてを対象に税金がかけられるわけじゃありません。所得から割引された額に対して税率がかかって、所得税が決まるんです。

分かりやすく言うと、1,000円の本が200円引きになります。(200円の控除)、そしたら1,000-200=800円。この800円に対して税金がかかるというイメージです。この場合なら、税率がもし10%としたら、800×10%で80円の税金ということですね。

主なデメリットのひとつ目は、60歳まで引き出せないこと。

これはかなり大きなデメリットと言えます。iDeCoは年金の一種なので、60歳まで引き出せない仕組みになっているんです。

2つめのデメリットは、毎月の掛け金が5,000円からというのもデメリットとして挙げられます。つみたてNISAが100円からでも可能なのに対して、毎月5,000円となると少し大きな額に感じますね。

また、3つ目のデメリットは「会社に書類を提出してもらう必要がある」ことです。

総務や経理の人に書類を渡す必要があるため、会社に黙ってこっそり始めることは不可能です。

会社の人とそういった煩雑なやりとりがしたくない人にとってはこれはかなりデメリットではと思います。

主人に一度、iDeCoの加入を提案してみたのですが、前職は職場環境が良くなかったためiDeCo加入手続きは断念しました。このように書類関係が適当な職場だと毛嫌いされるかもしれません。一方で私の職場は本社と直接やりとりが必要だったため、書類受け取りに2週間ほどかかりましたが、無事にiDeCo加入ができました。

iDeCoで注意すべきこと&おすすめファンド

iDeCoって、投資信託だけじゃなくて「元本確保型保険」だったり「預金」だったりお金を生まないものに掛け金を配分することも可能なんです。

でも、せっかくiDeCoを使うなら、投資信託を選ぶのがお得です。

投資信託だと確かに元本割れ(払った当初のお金を下回ってしまう)のリスクは避けることはできません。でも、せっかく利益に対して非課税のシステムなのにそれを活用しないのはもったいないです。

投資をすることに後ろ向きな人はぜひ「投資とギャンブルの違いについて解説」している記事を参考にしてみてくださいね。

また、おすすめのファンドについてはつみたてNISAと同じファンドを選ぶことも可能です(楽天証券)。

例えば、上記のつみたてNISAの章でご紹介した 「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」 はどちらもiDeCoでも選択することは可能です!

つみたてNISAとiDeCo、始めるならどれからが良い?

NISA、つみたてNISA、iDeCoそれぞれのメリットデメリットについて説明してきました。

NISAとつみたてNISAでは、長期投資できることからつみたてNISAのほうがオススメであることも書きました。

ここからは、もし投資初心者がひとつ始めるとしたらどれが最適かをこれから書きたいと思います。

ここでは、①年齢別おすすめ投資信託の選び方と、②ライフプランに合わせた選び方 について紹介します。

20代〜30代なら「つみたてNISA」がおすすめ

20代~30代の人へは、つみたてNISAがおすすめです。

理由は2つあります。

  1. 急な出費に対していつでもお金が引き出せる
  2. 20年という期間をフルに活用して積み立てていくことができる

20~30代は、結婚や出産、住宅購入といった大きなライブイベントがたくさんあります。そうしたイベントでは結構なお金が必要です。

結婚式、新婚旅行、新居への引っ越し、出産・子育て、教育費、マイホーム購入の頭金など、必要経費はイベントごとにどんどんと膨らみます。

もし結婚するつもりがなくても、転職したり、転勤で一人暮らしすることもあると思います。そんな時に家具家電購入などの思わぬ出費がかかることも多いです。

20~30代は思いもしなかったイベントが発生する確率が高いことからつみたてNISAがオススメといえます。

実際私も全く結婚する気なんて思ってなかったのですが、こうして主人と一緒になりました。(海外移住とか考えてました)
家族と友人もびっくりしてました。ほんと、何があるかなんて自分でも全くわかりません。

40代~50代なら「iDeCo」がおすすめ

40代~50代には老後資産の準備をしつつ税金の控除もできるiDeCoがおすすめです。

大体の人は40~50代になればある程度年単位での出費がわかるようになると思います。

子どもの教育費や家のローンに今後いくら必要かが逆算できるようになるからです。

iDeCoは前述の通り60歳まで引き出せません

そのため若年層のうちから積み立てるとお金が必要になった時に引き出せないという悔しい思いをする可能性があります。

しかし、子供もある程度大きくなり、年間支出や今後いくら用意すべきかが把握できる頃であればiDeCoは最適と思います。

毎月の家計の余剰金をiDeCoに回すことで、節税をしながら老後資金を貯めることができるからです。

逆に言うと、20~30代のいつ結婚するかわからない、家族が何人になるのかもわからない状況で「60歳までお金を引き出せない」iDeCoは結構なリスクであると考えます。

今月や来年の近い将来だけでなく、数十年後の老後の生活を考えられるようになったころにiDeCoで積み立てを開始するのがおすすめと私は考えます。

ライフプランに合わせた選び方

上記では年齢で分けておすすめな投資信託をご紹介しましたが、自分のライフプランに合わせて選ぶことができれば1番良いです。

例えば、日々の家計に関しては何の問題もないけど、老後が心配というなら20代でもiDeCoを申し込むのがベストです。

この場合のiDeCoは、今後年金がどれだけもらえるかわからない、遠い未来だからこそわからなくて不安、という気持ちを解消するための「お守り」的な役割を担ってくれます。

逆に、50代以降の方で、十分な年金がもらえるから老後資金は問題ない。でも、定年以降に家のリフォームをしたり旅行を楽しめたらいいなと考えるならつみたてNISAを活用するのが良いと思います。

今日がいちばん、「長期投資」に最適な日

いずれにしても、投資である以上値下がりのリスクは十分にあることを理解しなければなりません。

ですが、つみたてNISAにしてもiDeCoにしても、長期でコツコツと積み立てれば元本割れのリスクはかなり低くなり、資産が大きく増える可能性は増します。

少額からしかできなくても、複利の効果でどんどん雪だるま式にお金を増やしていくことは可能です。

投資って、高齢になればなるほど「長期投資」ができにくくなるのでリスクが高まります。短期間で大きな利益を得られる可能性のある投資であればそれだけ、元本割れのリスクも大きくなります。

人生で一番若い今が一番、「長期投資」に最良な日です。

一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?

さいごに

 今回は、国の制度を利用した投資信託である「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」についてのお話でした。

それぞれの特徴や、ライフプランに合わせた投資信託の選び方など、ザックリとですが簡単にではありますが紹介しました。

ここまで投資について書いてきましたが、投資するためのお金は「生活費と別」に分けて始めましょうね!

生活費を圧迫するような投資の仕方は自分や家族を苦しめてしまいかねません。

誰のために、何のために投資でお金を増やしたいのか?を常に意識することは大切です。

memo

家計管理の方法については、家計簿のつけ方について「手書き家計簿+アプリで楽に家計管理しよう!予習・復習しやすい家計簿の書き方」にまとめてるので興味のある人は読んでみてください。

「未来の自分を金銭的に少し手助けする」ような軽い気持ちで投資の世界へ最初の一歩を踏み出せればいいなと思っています。

では、また!

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